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悪人列伝 古代篇 (文春文庫)
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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| 人気ランキング: | 145125 位
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何故、彼等は「悪人」と呼ばれたか
日本史上「悪人」と呼ばれる人物を考察したもの。本書は古代編で対象は、「蘇我入鹿」、「弓削道鏡」、「藤原薬子」、「伴大納言(善男)」、「平将門」、「藤原純友」。本人を論評するのではなく、「何故、彼らが悪人と呼ばれるようになったのか」を時代背景などを踏まえて考察している点が特徴である。
「入鹿」の章では蘇我氏の興亡がメインで入鹿はその最後の一コマ。目玉は蝦夷天皇説だが、私は天皇制なる制度は鎌足・不比等が確立したと考えているので、本説には賛同できない。鎌足が蘇我氏の手法をベースにしたとは思っているが。「道鏡」の章では孝謙天皇を中心に描かれる。だが、男女の愛欲に比重が置かれ過ぎ。仲麻呂が天皇の位を狙ったという可能性は高いが、道鏡は実は清廉潔白な僧侶だったと言うのが近年の定説。全ては権力闘争なのだ。「薬子」の章では平安遷都の理由を"大魔王"祟道の祟りに求める辺り、梅原氏の"怨霊史観"を想起させ面白い。男性陣とは異なり、「悪女はやはり悪女」と言う結論も説得力(?)がある。「善男」の章では他の人物と比べ知名度が低いせいか、本人の生涯を細かく追っている。悪人と言うよりは、現代で言うと出世欲に取り憑かれた官僚のようだ。冒頭から本章までは、鎌足から良房に至る藤原氏の興隆の足跡を辿っているかのようである。「将門」の章でも前半は藤原氏の専横と"怨霊"道真、そして武士の発生が語られる。将門の乱の背景である。五代の後胤だが低い扱いを受けていた将門が"成り行き"で蜂起した様子が詳細に描かれる。京の公家に対する地方武士のレジスタンスの先駆けだったのだ。「純友」の章では将門と時を同じくして蜂起した純友の乱を、朝廷の財政(土地)問題、東アジアの動乱期、瀬戸内海賊の横行との関連性で切って見せる。
史料の綿密な考証と作家としての奔放な想像力で歴史マニアを楽しませる快作。
史伝
史伝を書かせたら海音寺さんの右に出る人は日本にはいないと思います。武将列伝と合わせて読むと色々な人間が居ることが分かります。古人の生き様、死に様を知ることは自分を客観視する何よりの契機です。その点史料に忠実にかかれた悪人列伝は最高の教科書です。古臭いとは感じませんでした。
☆4つ
蘇我入鹿や道鏡、平将門など、古来から悪人とされてきた人々を取り上げていくシリーズ。
全体として読みやすい。
なかでも、個人的に好きなのは「伴大納言」の章。
いつの時代も官僚のやることは変わらないな?って感じで面白かったです。
あんまり歴史に詳しくない方でも充分楽しめるんじゃないでしょうか。
ただやっぱり、考え方とか捉え方でところどころ「古臭さ」は感じちゃいますね。
仕方ないのは分かっていても、☆1つは減らしておいたほうがいいかな。
文藝春秋
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